モン族について説明します。
ベトナムの北部、中国との国境に近いバック・ハーには、少数民族のモン族が暮らしています。ミャオ族とも呼ばれますが、ミャオというのは、中国の漢民族がつけた名称であり、ミャオ族の方たちのなかには「ミャオ」という呼称を嫌う方もいます。中国をはじめとして、タイ、ミャンマー、ラオス、そしてベトナムと、歴史上移住を繰り返してきた 流浪の民です。
ミャオ語を話し、その独特の華やかな衣装は日本でも人気です。ベトナムに住むモン族は、中国における同化政策に抵抗し、19世紀に東南アジアのタイ、ビルマ、ラオス、ベトナムに移住していった人たちです。
中国のモン族の人口は増えつつあり、全体の人口の約半数は、貴州省に集中しています。タイ、ミャンマー、ラオス、ベトナムには200万人のモン族が住んでいます。
彼らはベトナムの多くと同様、米食文化です。ご飯を主食として、副食をあわせます。漢族と似た料理もありますし、そばを作る食習慣もあります。唐辛子を醤油の味付けで食べます。彼らの習慣には漢族の影響が強く、春節の祝いや、ハレの料理を用意したりします。中国には、モン族の料理を出す専門店もあります。